琵琶湖のめぐみを世界に届ける。
「おいしい」感動を生み出す手しごと。
1941年、全国に先駆けて鮎の養殖を始めたことからスタートした木村水産の歴史。その後数々の転機を経て、水産物の加工や販売、飲食業、オンライン販売へと事業を広げてきました。
琵琶湖の漁獲量が年々減少しているといわれる中、木村水産ではこれからの新たな展開を一緒に考え、作り上げていく人材を募集しています。そこで今回は、社長と専務に特別インタビュー。印象的だったターニングポイントや、会社のこれからを担ってほしい人材について聞きました。
きっかけは「近所の人に喜んでもらいたい」という思い
鮎の養殖からスタートした木村水産。一般に養殖専業のメーカーはたくさんありますが、加工や販売まで一貫して自社で行っている会社は少ないのだそう。木村水産の事業が拡大してきたきっかけについて、まずは社長に聞きました。
「私の祖父が養殖の事業を始めて、父がそれを継ぐ形で現在の場所で養殖を始めたのが1957年のことです。これが当時の会社周辺の写真。まだ周りにお店も住宅もほとんどありません。養殖をしていると、傷がついたりして市場に出荷できない魚が必ず出てきます。それを何とか活かせないかと考えた母が、魚を鍋で炊いて近所の人に配ったら『おいしい!』と評判になったのが、加工販売をやるようになったきっかけでした」
そのうち結婚式の引き出物に使われるようになり、雑誌で取り上げられて、県外の人にも知られるようになったそう。「あのまま養殖だけ続けていたら、今の木村水産は存在していないと思う」と社長は続けます。魚を無駄にするくらいなら近所の人に喜んでもらいたい、そんな温かい想いが今の木村水産を作るきっかけになったようです。
コロナ禍に先駆けて始めたEC事業がターニングポイント
その後、会社は3代目の木村泰造(現会長)、そして4代目の木村昌弘社長に引き継がれ、木村有作専務が就任して現在の体制に。専務が思うターニングポイントについても聞いてみました。
「私にとっては、ひと足早くEC事業に力を入れたことでコロナ禍でも売り上げを伸ばせたのが、印象的なターニングポイントです。まだコロナ禍に入る1年以上前、鮎の出荷量が伸び悩む中で、何か魅力的な新商品を作らなければ!と考えて、滋賀県ならではの食材を使ったお惣菜の少量パックを作ったんです。せっかくの新商品だから今までとは違う売り方をしようと考え、始めたのがネット販売でした」
準備ができて、いよいよ売り出そう!と思った矢先に新型コロナウイルスの感染が拡大。予想外の事態だったものの、サイトの準備はできていたので予定通り販売を開始しました。
「これは忘れもしない、2020年5月の2週目。ある朝、パソコンを立ち上げたら200件もの注文が入っていたんです。それまでは多くても1日あたり10件ほど。ちょうど次の週末が母の日で、懐かしい味わいの、ちょっといいものを少しずつという商品の特徴が、母の日のギフトにピッタリだったのかもしれません。購入しやすい環境を整えたり、SNSで地道に発信したりというこれまでの努力が一気に花開いて、EC事業に手応えを感じた瞬間でした」
そう話すのは社長。まさに、コロナ禍を逆手に取って新たな市場開拓ができた形です。
商品パッケージに、デザインの目線を取り入れ始めたのもちょうどこの頃でした。こちらは世界最高といわれるパッケージデザインの国際コンペティション「ペントアワード」を受賞した「鮒寿し(ふなずし) お試しパック」。鮒のウロコや魚をとる網をイメージしたパッケージが目を引きます。
コロナ禍でも売り上げを落とすことなく増収増益を続けられたのは、こうした新しい取り組み同士が相乗効果を生んだ結果といえるでしょう。
鮎で世界一に!会社の未来をともに切り開いてほしい
木村水産は「もう一度、日本の食卓に鮎を」をミッションに掲げています。
「過去30年と次の10年で、琵琶湖の水産業は大きく変わる」と言う社長。たとえばこの2年ほどで、琵琶湖の小鮎は3分の2に減りました。これまでと同じことをただ続けているだけでは生き残れない。そんな思いから、琵琶湖にとどまらず滋賀の食材をテーマにした商品開発、「木村鮎」ブランドの強化、飲食事業の拡大など、新たな挑戦を計画しています。
「一緒に働きたいのは、ひとことで言うと『誠実で真面目な人』。我々の仕事は、毎日同じような作業を繰り返し行うことが多いです。だからこそまずは地道に、誠実に商品と向き合う姿勢を大切にしながら、会社の挑戦に共に取り組み、当社の未来を切り開いてくれる人に応募してほしいなと思います」
続いて専務も、「『おいしい』って一番身近な幸せだと思うんです。それを提供し、自分たちの幸せややりがいにもつなげられることが当社で働く魅力ではないでしょうか。当社の事業理念には『全社員の物心両面の幸せを追求する』とあります。そのために、物質面では給料や休暇の充実を、精神面ではお客さまを笑顔にできる喜びを、どちらも十分に体感できる環境作りを追求しています。会社としては、日本の鮎を海外に広めたいという夢もあります。鮎で世界一になりたいですね!」と意気込みます。
木村水産では、真面目に誠実に、ものづくりに喜びを見出しながら、共に未来を切り開いてくれる仲間を募集しています!