魚の声を聞き、
お客様に「おいしい!」を届ける仕事
まったくの未経験から、養殖と塩焼きの担当に
もともと会社まで徒歩10分の距離に住んでいたので、木村水産の存在は知っていました。入社する3年ぐらい前に、お客さんとして鮎の塩焼きを食べたことがあって。それがとてもおいしかったのを覚えています。当時は魚のことなんてほとんど知らなかった自分が、まさか養殖の仕事に就いて、塩焼きを焼く側になるなんて。入社前は自分にできる仕事なのか、正直不安もありましたが、今はやりがいを持って働いています。
僕の所属は水産部門で、鮎やビワマスの養殖と、鮎の塩焼きを主に担当しています。水産部門のメンバーは全部で5人。僕は今年で入社5年目になりますが、水産部門では下から2番目です。一番上の先輩が、もう学校を卒業してから40年近く働いている大ベテラン。僕より上の人はみんな数十年のベテランです。
朝出社したら、まず養殖池をチェックして、この一晩の池の状態がどうだったかを判断し、今日1日の池の管理方針を決めています。エサをあげたり出荷の作業をしたりして池での仕事が終わったら、次は塩焼きの作業。1尾ずつの鮎に手作業で串を刺して、塩をつけて、専用の機械で焼き上げます。今日は午前中だけで800尾焼きました!
一番忙しいのは、鮎が旬を迎える5〜7月です。出荷も多いし、塩焼きもたくさん作ります。池で飼っている魚の量もピークを迎えるので、この時期はエサやりも大変です。
セオリーがない生き物相手の仕事は、試行錯誤の連続
魚はしゃべらないので、調子が悪くなっても何を求めているのかすぐにわかりません。観察して、仮説を立てて、検証して。去年上手くいったことが、今年は思い通りの結果にならないなんてしょっちゅうです。
魚のことはひたすら見て、先輩から聞いて覚えました。やっぱり生き物なのでマニュアル通りにいかないことも多いし、決まったセオリーを見つけにくいのが大変だなと思います。ベテランの先輩たちと一緒に「今年はあれに挑戦しようか」「この部分は来年変えてみよう」と、毎日試行錯誤しています。
今年は例年よりビワマスの成長が良くて。エサを思い切ってたくさんあげる方法に切り替えたら、かなり大きなビワマスがとれるようになったんです。ただ、大きく育った個体がいる一方で、まだ小さいうちにこれまでになかった病気が出た魚もいて。何年続けてもきっと知らないことが出てくると思いますが、いろいろ考えて行動することにやりがいを感じますし、上手くいった時の喜びは格別です。
あとは、自分が育てた魚にお客さまから良いアンサーが返ってくるとやっぱり嬉しいです。鮎の塩焼きだと、自分が育てて焼いた商品に、お客さまが「おいしかったです!」とハガキを送ってくださることもあって。日々の業務ではお客さまと直接話すことはないので、そういった反応を見ると「またがんばろう」と思います。
会社と同じ未来を見ながら成長できるのが魅力
当社の魅力は、何といってもずっと成長を続けられていることだと思います。養殖の魚は飲食店で使われることが多いので、コロナ禍に売り上げが一気に落ち込みました。でも、その時に力を入れ始めたEC事業で、そのマイナスを十分カバーできる売り上げが上がったんです。どんな時でも成長を続けられる戦略と実行力があるのが、当社のすごいところだと思っています。
また、これからの戦略や10年先の計画など、会社が今どこに向かっているのかをオープンに話してもらえるので、安心して働き続けることができます。会社と同じ未来を見ながら働けるのは、とても良いことだと感じています。
魚のことを知らなくても、興味を持って学べる方ならやりがいを持って働ける会社だと思います。相手も生き物なので、実際に毎日対面しているとその日ごとに違う面が見えたり、池をきれいに掃除してあげるとエサの食いつきが良くなったり。目で見て成長がわかるので、元気に育つと嬉しいですし、意外とかわいいですよ!